URAWA MONTESSORI EDUCATION 子供が世界を広げる瞬間 モンテッソーリの子育て 浦和教室

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「ぼくの!!」「わたしの~!!」

「お友だちの持ってるのを取っちゃうんです…。」と悩むお母さんは多いです。

「ぼくの!!」「わたしの~!!」とおもちゃをはさんで緊張状態です。2歳も半ばを過ぎたころから、子どもの自我はどんどん強くなり「これやりたい!」の気持ちがはっきりしてきます。頭の重い幼児が力づくで引っぱりあうので、取られた方はバランスをくずして転び、「エーン!!」となります。

子どもが泣くと大人は「大変!!」と感じて止めに入りますが、おもちゃの取り合いは、やっている子も見ている子にも、とても大切な学びです。「おいしい」「つめたい」などとは少しレベルの違う「くやしい」という感覚を知るときです。

人生を通して社会とつながりを持つ私たち人間にとって、自分の欲求をほどよく抑えながら他者と関係を続けることはとても大切です。クシャクシャにしてポイッと投げ出さず、強弱ありながら関係を続けます。ある程度我慢も必要です。自己主張はもっと必要です。それを小さいころは、おもちゃの取り合いを繰り返しながら、学んでいきます。

そうはいっても、取り合いで転んでけがをしたらどうしよう。体の痛みは消えても、心の傷が残って「トラウマ」になるのでは…。と心配されるかも。

トラウマとは、「個人が持っている対処法では、対処することができないような圧倒的な体験をすることによって被る、著しい心理的ストレス(心的外傷)のことです。」出典:国立成育医療研究センター“子どものトラウマ診療ガイドライン ですから、2歳児2人の我の張り合いでは、深刻な心の傷をつくることはないでしょう。

取り合いを推奨しているわけではありません。でも起きてしまった時、教室で行っている大人の対応ですが・・・

・取り合いを途中で止めません。
・子どもたちが倒れるのを予測して、2人の後ろに座って頭をガードします。
・どちらか泣いたら「嫌だったね。遊びたかったのね。」と気持ちに共感します。

ところで、このとき取り合いを見ている他の子の様子が微笑ましいです。思い思いのおもちゃを2人にすすめたり、いつもより明るく陽気に振舞ったり、その場の緊張をほぐす努力をしてくれます。

色んな立場、揺れ動く感情のなか、子どもたちは、自分より強い子、もっと強い子、助けてくれる子、なぐさめてくれる子を知り、それぞれとの関りを経験しながら、幼児期を過ごしています。