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モンテッソーリの先生のしごと

モンテッソーリの先生は静かな人が多いです。華やかさはないけれど、そっと子どもを適切な活動にさそいます。何かを「教える」というより、その時が来たら出来るように「紹介する」という表現があっています。「折る」「縫う」「貼る」そして感覚教具…。それでも紹介できないこともあります。

例えば、赤ちゃんは1歳頃に歩き始めます。人は歩けるようになると、とり立てて考えませんが、歩くためにすごく複雑なことを行っているそうです。

まず、歩いてよい場所か見て、内耳から体の傾きの情報をもらい、足の関節の曲がり具合の感覚をもとに、「歩行中枢」が運動神経に情報を与えます。運動神経だけでは脚の曲げのばししかできないので、それを補佐する錐体外路系と小脳系(というそうです)が機能し、それに加えて筋肉や骨、関節なども関係して…と大変複雑なことをいっぺんに行なうことで、歩けるのだそうです。

こんな複雑なことは、私たちは赤ちゃんに教えられません。でも、どの子もみんな1歳くらいには歩くようになるのです。人が教えられなくても歩けるのは、いったいなぜでしょう?

それは、子どもは生まれつき「自立への憧れ」を持っているからです。また人はみずから成長しようとする「生命力」を持っているからです。それらが原動力となり、環境からことばや振舞いなどの文化を吸収して「じぶん」をつくり上げます。「生命力」は生涯を通じて「学ぶ意欲」として、私たちを支え続けています。

この「生命力」をモンテッソーリは「ホルメ(horme)」と呼びました。ギリシャ語で「原動力」という意味です。パッと見た目に分からなくても、子どもの「ホルメ(horme)」による成長や発達を信じて、大人は過剰な干渉を控えるべきだ、とモンテッソーリは考えました。活動の紹介はあっても、実際行うかは子どもにゆだねるのです。

子どもは動きながら学びます。大人とは違う目的を持って活動します。私たちモンテッソーリの先生は、子どもの「生命力」を信じて、一人ひとりのいまの“憧れ”をヒントに、子どもに「ひとりで出来る」動き方を伝えながら、子どもの自立と人格形成のお手伝いをする人だと思っています。