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おうちモンテのはじめ方

家にいることが多くなり、“おうちモンテ”のはじめ方について質問を頂きます。「ピンクタワーや算の教具、どんな“モノ”を買ったらいいですか?」モンテッソーリ教育でイメージするのは、美しい教具を「買うところから。」はじめようとお思いでしょう。しかし、家庭でモンテッソーリ教具を購入する必要はないし、むしろ今お家にあるもので十分だと私は思います。“モノ”はなくても、どのご家庭にもすでに子どもを引き付ける、“こと”が、たくさんあります。

いつの時代も、子どもが自らやってみたいのは、“動くこと”です。思い出してください。赤ちゃんのとき足をバタバタ、手をグーパーしましたね。それは、自分の思った通りに身体が動くのが楽しいからです。そのうちに“動くこと”は、寝返りやつかまり立ち、ひとり歩きに成長してきたはずです。ですから、赤ちゃん期の延長にある幼児期も一番やってみたいことは、“動くこと”です。

ママのようにバッグを持ち、中にいっぱい物を入れたいです。一人でさせてもらえない、洗濯やお皿洗いをしたいのです。いちばんしたい幼児期にさせなかったことを、大きくなってするはずがありません。これらの運動に関する活動を、モンテッソーリは「生活」として一つの分野に分けています。

「モンテソーリクラスをはじめようと思ったら、生活の活動(たしなみと礼儀を教えることも含め)のみに最初は力を入れ、こどもと環境との間に、モンテソーリが『信頼関係』と呼ぶ状況が成り立つまでは、特定のどの教材であろうと、それの持込みは後にまわすことが最善です。」(E.M.スタンディング著『モンテッソーリの発見』エンデルレ書店1975年307ページ)と言われるように、おうちでも、モンテッソーリのしたお仕事をする時に子どもとするのは生活の活動であるべきです。

そこで大切なのは、動きの教え方です。子どもは様々な動き方を、私達大人の動作をじっと見て真似します。ですから大人は、色んな動作をして見せて子どもを助けます。きれいにゆっくり動作をしてくれる大人の真似はしやすいです。せっかちでバタバタしている大人の動きは、きっと見えません。手が間に合わないで足を使う大人の動作は、子どもがすぐに真似をします。

「こどもは理解したのかもしれませんし、理解していないのかも知れません。こどもがやり方をまちがえてもそれはかまわないのです。こどもは自分の殻にこもってしまいますから、訂正してはいけません。(中略)私達は教えた、そしてそれが失敗だった、というわけです。」とモンテッソーリは言っています。

子どもが大人と違う方法でしても、危険がなければ良いです。機会を見て、より合理的な方法を教えてください。失敗しても子どもの気持ちを傷つけてはいけません。相手が大人であればしないことを、子どもにしてしまっている場合、子どもの目線に戻ってフェアな人になってください。人は“されたように育つ”ものです。大人が日常の動作を丁寧にきちんと行うこと、身の回りの道具の使い方を教えること。ここから、“おうちモンテ”がはじめられると思います。