URAWA MONTESSORI EDUCATION 子供が世界を広げる瞬間 モンテッソーリの子育て 浦和教室

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“予測できる活動”に集中することで、心の強い子に育ちます。

教室のお子さま達の選ぶお仕事や内容を記録するうちに、ある法則に気付きました。それは、子どもたちが「活動の予測ができないものに、集中することはない」ということです。知らない道具や教具には集中しません。でも、大人にとっては“ありきたりのもの”に対して、子どもは深く深く集中します。

例えば日頃、お風呂や砂場でたくさん遊ぶ子が、教室の「あけ移し」や「色水」の活動に夢中になります。「はさみ」や「洗濯」「窓拭き」は、お母さんを見て方法を知っているので、ためらわずそれに取り組み集中します。

「でもそんな“ありきたりの活動”に集中して、子どもにどんな良い影響があるのでしょう?」多くの大人が疑問を持つのは当然です。一般的に幼児教室では「空間認識力」「鏡問題」「季節感覚」などのキーワードで教育するのに、モンテッソーリ教育の場では、色水や窓ふきをしてて大丈夫?とご心配されると思います。

しかしさまざまな例が示すのは、子どもは自分が“予測できる活動”に没頭することで、内面が強くなります。それはその活動に対して、ひいては活動している自分の内面に集中しているから、もっと言えば内発的動機に突き動かされて行動しているからです。もちろん人に褒められるからではありません。

例えば、いつも幼児はさみで引っ張って切っていた子どもが、切れ味の良いはさみを手に深く深く集中する例、1台の円柱差しで活動していた子に、2台目、3台目の円柱差しを用意したときの真剣な表情。こうしたことを見て行くうちに、子どもはすでに知っている“予測できる活動”から発展した難易度の高い活動に、深く深く集中することが分かりました。

「こんなにしてもできた!」「もっと上手くやりたい!」そして「他の活動もきっとできる!」内発的動機に従って行動を重ね、その子の自発性が生んだ自信が自尊感情となり、生涯を支えてくれる行動の土台となります。ですから、大人にとっては“ありきたり”の、はさみや雑巾を使う活動を、決してあなどる事はできないのです。

でも、言語や算数、文化に関する教育は小さなお子さんには予測できないもの。それをどういう風に子どもに“予測できるもの”にするかは、改めてお話します。