URAWA MONTESSORI EDUCATION 子供が世界を広げる瞬間 モンテッソーリの子育て 浦和教室

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散らかしても大目に見てほしい2歳のころ

一年を振り返ると、子どもたちが驚くほど成長したことに気づきます。

Ⅿくんはきらっと光る目で人の動きをよく見る静かな男の子です。指先が大変器用で、3歳になったばかりなのに、折り紙できれいなコップが折れます。人の手元を見て過ごす日もありましたが、今は自信を持ってはさみで雪や星を切り取り、紙織りの作品を作っています。そんなⅯくんの2歳半ばの様子を、お母様の記録からご紹介します。

‹出す›

新しいストローをすべて袋から出す。新しいビニール袋をすべて袋から出す。薬をすべて袋から出して横に並べる。ポケットティッシュを袋から出して、ティッシュだけ積んでありました。本棚の本をすべて棚から出す。

‹入れる›

ベランダのものをすべて家の中へ運び入れる。ビニール袋に氷を入れる。弁当箱、水筒、ペットボトルに水を入れて並べる。宅配ボックス4個にぬいぐるみをみんな入れる。スーパーの袋にぬいぐるみをいっぱい入れる。輪ゴム、ジュース、ゼリー、ぼうろを袋に入れる。穴に小さなものを入れる。

‹並べる›

ジュースを20本くらい並べる。宅配ボックスの箱を積み上げる。にんじん、大根、いんげんなどを並べる。

なんと大量のものを出し入れしたのでしょう!それを叱らずに見守ったお母さんにも感嘆です。

ところで、モンテッソーリは「人間の傾向性」として11の特長をあげたそうです。秩序、方向付け、探究心、コミュニケーション、仕事、活動、操作、手作業、繰り返し、正確さ、抽象化、自己完成の11です。そこに幼児の敏感期そして、子どもの個性が重なって、色々な行動として現れるのでしょう。

“大目に見てほしい”とはいえ、部屋がいっぱいになりますから、止めずにいられないお母さんも多いでしょう。もしかしたら、環境の整理で子どもも親も幸せな環境もできるかもしれません。Mくんのお母様は静かな方なので、あとをついて回って記録してくれました。素敵な育児記録です。

次はⅯちゃんです。

ふんわりとした優しいお母さんと、まあるいほっぺの元気なⅯちゃん。Ⅿちゃんは好奇心旺盛で、教室の棚からトレイを取り出します。また次を取り出し、そして取り出し…。その繰り返しがしばらく続きました。取り出しても触れずに、目当てのものが見つからないで困っているようでした。ときおり嬉しくなって声を出してテーブルの周りを3周くらい走るので、♪あるこ、あるこう、と「さんぽ」のフレーズを口ずさみながら一緒に歩きました。教室もその頃は散らかっていました。

その後2歳半をすぎたころ、Mちゃんは「見つけた!」と「はめ込み円柱(円柱さし)」に夢中になりました。集中がとても深くて、他の子の存在を忘れるほどです。それがひと月ほど続いたあと、分類のトレイに夢中になりました。同じ色の玉を集めて分類します。形を合わせるパズルも大好き。それらを経て、突然ひらがな50音を読むようになりました。それには本当に驚きました。今は数字のスタンプに夢中です。

ご紹介した2人のMちゃんは、大人から何かを教え込まれたことは一回もありません。大人に大事に育てられ、自由とほんの少しの方向性を頼りに、自分たち自身でその精神を育てる最中です。二人の他にも子どもたちは皆、それぞれの個性を伸ばしながら落ち着いた3歳となっていきます。可愛らしいドタバタの2歳の記録を宝物に、もうすぐ入園して、立派な幼稚園児になってくれるのでしょう。