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改定された、乳幼児のあたらしい教育について

今年4月に施行された幼児教育関連法令により、幼児をあずかる全ての施設で、より丁寧な乳幼児の保育が求められるようになりました。改定されたのは、保育所と幼稚園と認定こども園の保育に関する3つの法令です。“改訂”でなく“改定”という表現が、かつてないほど本気で保育の質の向上を求める姿勢を示しているそうです。3法案とも共通で、幼児期に育みたい「資質・能力」、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」について述べています。この「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」はそのまま小学校に入学する子どもの姿だと想定されています。

この改定で特に良いのは、以前の保育所保育指針になかった0歳と1・2歳の低年齢児の保育について、丁寧に書かれていることです。年齢が低いほど大切な“共感”や“愛着”をになう、大人の「応答的な関わり」について、またイヤイヤ期とも言われる年齢特有の自我の育ちについて触れているので、参考までに少しご紹介します。

「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」イ.人間関係の“内容の取扱い”より

① 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立するとともに、自分で何かをしようとする気持ちが旺盛になる時期であることに鑑み、そのような子どもの気持ちを尊重し、温かく見守るとともに、愛情豊かに、応答的に関わり、適切な援助を行うようにすること。
② 思い通りにいかない場合等の子どもの不安定な感情の表出については、保育士等が受容的に受け止めるとともに、そうした気持ちから立ち直る経験や感情をコントロールすることへの気付き等につなげていけるように援助すること。
③ この時期は自己と他者との違いの認識がまだ十分ではないことから、子どもの自我の育ちを見守るとともに、保育士等が仲立ちとなって、自分の気持ちを相手に伝えることや相手の気持ちに気付くことの大切さなど、友達の気持ちや友達との関わり方を丁寧に伝えていくこと。 (平成30年4月1日適用の『保育所保育指針』より)

法令に出てくる“保育士”を、“親しい大人”と読み替えれば、日々の子育てに役立つことと思います。わが子が「自分で(やる)!」と言って大変になったり、お友だちとおもちゃの取り合いに困る1,2歳の親御さんの参考になると思います。「法令はちょっと読みづらい」という方には、分かりやすく、あたたかく書かれた解説書をみつけました。今度書店に行かれたとき、さっと目を通してみて下さい。

 

汐見 稔幸(2017)「さあ、子どもたちの『未来』を話しませんか  2017年告示 新指針・要領からのメッセージ」小学館